出世すると仕事が大変そうだし責任も取らないといけなくなるので、給料は安くてもよいから出世なんてしなくていいや。みんなもそうでしょ?
かつての日本では、大企業に入り出世をしていくことが「成功」とされていました。「24時間働けますか」というフレーズが流行したように、毎日深夜まで仕事をして実績を積み上げるために必死になることが当たり前の時代でした。ところが近年「出世したくない」人達が増えてきています。なぜそのようになったのか?また出世したくない人達の将来は?是非最後までお読みください。
入社数年で「出世しない」と決めてしまうのは勿体ないように思います。
出世をしたくない新入社員達
どのポジションまで出世したい?部長?社長?
2019年に公益財団日本生産性本部が行った『平成31年度 新入社員「働くことの意識調査」』によると、「どうでもよい」人が16%、「役職につきたくない」という人が6.9%、合わせて22.9%の新入社員がいわゆる「出世」への意欲がないことがわかりました。これは平成21年度の16.2%から4割を超える増加幅となっています。また、「働き方は人並みで十分(63.5%)」「好んで苦労することはない(37.3%)」の数字も過去最高となっています。
- 仕事のストレスが増えたり責任が重くなったりするのは嫌
- 給料が上がらないこの時代、仕事だけ大変になるのは避けたい
- 出世してプライベートの時間がなくなるのは困る。今が楽しいのでこのままでよい
という声もあるようです。昨今よく聞く「ワークライフバランス」を大切にしている方が増えているのかもしれませんが、「ライフ」に重心を置きすぎることがしあわせな人生であるとは言えません。
【気を付けたい!】出世したくない人達のリスク
「出世したくない」と思う新入社員~20代の若手社員は、まだ仕事において自分のことで手がいっぱいの状態でしょう。少子化の影響でひとりあたりの業務ボリュームが増えているかもしれません。そんな中で「後輩への指導」を行う余裕などはなく、ましてや出世して管理職になることなど想像もできないかもしれません。
しかしながら早い時点で自分の社会人人生の可能性にフタをしてしまうのはあまりにももったいない。加えて大きなリスクとして一度出世をあきらめてコースから大きく外れると、たとえば将来結婚して子供が生まれたとき後に「やはり出世したい」と考え直しても、そこからコースに戻ることは至難の業であるということを認識しておかなければなりません。
【サーバントリーダー】これからのリーダー像
今までの組織では「俺についてこい!」という熱血タイプのリーダーがよく見られましたが、「出世したくない」人達は仕事にすべてを掛ける熱血リーダーになりたくないと思っているのでしょう。
ドイツの精神分析学者のエリクソンが作った「ジェネレイティビティ」という言葉があります。「次世代の価値を生み出す行為に積極的にかかわって行くこと」を意味する言葉であり、はじめは環境などを整えてもらうなどさまざまなことを享受しながら活動を続けているうちに、いつのまにか「ギブする側」つまり後輩の育成や成長を自分事のように喜ぶことができる状態がくることを言います。つまり、出世や昇進などに興味はなくても、続けていくうちに指導する立場に喜びを見出すようになる可能性があるということです。
これからの組織では、プレイヤーに最高のパフォーマンスを発揮してもらうための環境を用意する『サーバントリーダー』が注目されています。サーバントとは直訳すれば「召し使い」ですからメンバーをグイグイと引っ張るバイタリティは求められません。メンバーがストレスなく業務に打ち込めるように調整をする役目ですので、仕事を効率よくこなしプライベートを充実させたいという気持ちの強いタイプの方には、自身の経験をうまく活かすことができるでしょう。
【参考記事:世界のキャプテン】
出世をしたくない新入社員達【まとめ】
繰り返しますが、入社数年で自分の可能性にフタをしてしまうのは勿体ないです。プライベートも大切にしつつ、仕事も大いに楽しんで下さいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。参考になったと感じられた方は、SNSなどで共有いただけると有り難いです。
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